nonamenonanashi’s blog

父親の最後を忘れない為の日記

父親の死⑮

12月7日、15時16分

父親が大腸癌により亡くなった

肝不全、腸閉塞、腸重積もあった

まだ74歳だった

もう動かない父親を見ていろいろ考える

親孝行してあげられたのか

迷惑や心配ばかりかけていたのではないか

もっと仲良くしておけば、もっと話ししておけば良かった

結局何もしてあげられなかったね

とつぶやくと

母親は、いっぱいしてあげてたじゃない

会社休んだり早退して面倒見てあげてたじゃない

父の日とか誕生日にはいつもプレゼントあげてたじゃない、よくやってあげてたよ

そうだけどさ…そうなんだけどさ…

もっといろいろしてあげたかったのにね…

親孝行したいときに親はなし

そんな言葉が思い浮かんだ…

ぼーっと父親を見つめていると看護師が入ってきた

父親の顔や身体を綺麗にして着替えさせてもらえるという

それと、遺体の引き取りの話だった

泣いてる暇なんてなかった

悲しんでいる暇もなかった

親戚に父親が亡くなった事を電話で伝える

近所の葬儀場へ電話して遺体の引き取りと安置のお願いをする

16時半頃に来るという

病室に戻ると父親は綺麗にしてもらっていた

髭を剃り髪を梳かして浴衣に着替えさせてもらってあった

父親の荷物を纏めて、遺体の引き取りが来るまで母親と話す

しばらくすると葬儀場の人が来た

これから葬儀の打ち合わせをする事になった

廊下に出ると病院関係者以外は誰もいない

遺体が通るので患者さん達は病室に戻り扉を閉めるようだ

誰にも会わない専用の通路を通り病院の裏口に出た

看護師さん達に見送られ父親を乗せた車は先に葬儀場へ

後から母親と自分も葬儀場へ向かう

葬儀の日程を決めなければならない

泣いてる暇も、悲しんでいる暇もなかった