nonamenonanashi’s blog

父親の最後を忘れない為の日記

父親の死⑧

銀行と買い物に出かけていた時、母親から電話がきた

慌てた様子だった

父親が吐いてしまったと言う

間に合わなくてパジャマに吐いてしまったようだ

それも3回

今は落ち着いたけど、パジャマが汚れてしまい着替えさせようとしたが1人ではとても無理との事

訪問看護に電話して来てもらうように頼む事と、自分もすぐに帰るからと伝え急いで家に向かう

パジャマと下着が汚れていたので介護ベッドを起こし、父親の身体を綺麗に拭いて、母親と一緒に着替えさせる

父親も落ち着いたようだが

母親がポツリ…

やっぱり介護は無理だわ…1人じゃ出来ないよ

自分も家にいる時はいいが、母親1人ではオムツ交換も着替えさせる事もやはり困難だ

訪問看護の人が来て、吐いてしまった事等をいろいろ話しメモしてもらった

母親が

お父さん、やっぱり私には介護出来ないよ、力もないし着替えさせる事も出来ないし

◯◯(自分)がいる時なら手伝ってくれるからいいけど1人じゃ無理よ…

しばしの沈黙の後に父親が

あと1回…あと1回吐いたら…病院に戻る

訪問看護の人とも話し

じゃあ、あと1回吐いたら病院に戻ろう、それでいいね?と聞くと父親は大きく頷いた

出来る事ならずっと家にいさせてやりたい

ずっと一緒にいてやりたい

面倒を見てやりたい

しかしそれで母親がまいってしまっては良くない

自分も仕事に行かなければならないし、ずっと見ているわけにもいかない

母親1人の時に何かあったらパニックになってしまうかもしれない

寂しいがやはり病院に戻ってもらうしかないんだ

訪問看護の人が、何かあったら救急車を呼んでください

こちらに連絡でもいいです、すぐに来ますからと言ってくれた

父親は勤めていた会社に電話して退職の申し出をしたようだ

有給がいっぱい残っていたようで、使い切って1月16日に退職とさせてもらえた

有給もほとんど使わずに真面目に働いていた

休んで病院に行っていれば…いや、もうそれは遅すぎた

夜になりその後は落ち着いたので寝ることにした

父親がモゾモゾ動いていて布団がガサガサと音を立て気になって眠れない

そのうちラジオをつけたので

寝るんだから静かにしてね、と言うと

昼間寝てるから寝られないんだよ、と

ラジオを消してもう寝るようにと言った

そのうち母親も自分も寝てしまったが、父親は眠れないようでずっとモゾモゾ動いていた

後から思ったが、昼間寝たから寝られないんじゃなくて、恐らく身体が痛かったのだろう

苦しかったのだろう

楽な体勢を探していたのだろう

そして夜中、父親がえずいて咳き込んでいる…